メッセージ フロム ザ フロント

有期労働法制(その3)

4月からの労働契約法の施行によって、1200万人を超えると言われる有期雇用労働者の無期雇用への転換が進むのか、逆に、5年以内の雇止めが増えてしまうのか、注目されている。このことは、現在、有期雇用で働いている労働者にとっては、天と地ほどの違いであり、重大である。

 

 同法の施行を前に、全労働がこの点についてアンケートを取り組んだ。その対象は、全国で勤務する労働基準監督官(1052人から回答)。

 結果は、次のとおりである。今後の労使の動きで状況は変わってくるだろうが、日頃から、様々な職場の実情に触れている監督官たちの実感と言えよう。

 

 設問:労働契約法の改正によって、今後、有期労働契約の労働者の雇用情勢がどのように変化するか、考えられるものは何ですか。

 

 回答:A.5年以内の雇い止めとなる労働者が増加する。      61.0%

    B.多くの有期労働契約者が無期労働契約者に転換する。   2.4%

    C.現状と変化は見られない。               21.4%

    D.わからない。                     10.9%

                      ※「その他」「無回答」は省略

 

 

 「現実は、そう甘くない」。監督官たちは、そう警鐘を鳴らしているように思える。

 

 実際、多くの大学で任期付職員を対象に有期雇用契約の更新上限が示されたり、政府系研究機関でも契約更新に際して新たに「クーリング期間」を設ける動きが出ている。

 

 労働行政の職員も、ただ手を拱いているのではなく、「法の趣旨をふまえた対応をお願いします」「労使で十分に話しあってください」などと働きかけをするのだが、労働契約法はもともと監督指導の根拠となるような法律ではないから、如何ともしがたい。

 

 このままでは、労働契約法が「雇止め促進法」に変質してしまうおそれがある。

 新年度は、労働基準法(割増賃金制度等)の見直しが予定されているが、労働契約法についても、あらためて現状を分析し、不更新条項や更新上限を定めることを一定の範囲で禁止したり、一定の有期労働契約を試用期間的に活用することに制限を設けるなど、新たな法的措置を検討していくことが求められていると思う。(M)

 

この記事のトップへ