メッセージ フロム ザ フロント

被災地でがんばる国家公務員も「給与削減」

 

国家公務員給与を平均7.8%削減する法案が注目されている。

この法案は当初、財政赤字を理由を掲げていたが、最近になって震災復興に向けた財源確保をその理由に掲げている。

そうであるなら、国家公務員の中にも震災で家族を失い、家を流されて仮設住宅等で暮らしながら、必死に働く職員がいることをどう考えているのだろうか。

 

実際、労働行政(ハローワーク、労働基準監督署等)だけでも、震災で勤務中の2名が命を落とし、70名が親族を失った。持ち家の被害でも全壊が57件、半壊が168件にのぼる。それでも被災地の職員は、震災直後からライフラインの途絶えた庁舎(仮設を含む)に泊まり込み、わずかな食料を分け合いながら、地域の離職者、労働者の支援に力を尽くした。そして、全国からも応援職員が、寝袋を持参して被災地に向かった。

 「日本は一つ」とは言うものの、国家公務員なら被災者であろうと、どんなに被災者支援に尽力しようと「給与削減」なのか。

 

例外もあるらしい。いまや国家公務員の2人に1人ほどを占める自衛官や自衛隊の機関に勤務する事務官等(約25万人)は、6ヶ月以内の期間、「給与削減」を猶予するという。同じ国家公務員でも、自衛官等にだけなぜ特段の配慮があるのか、よくわからない。

それが自衛官の努力の結果であるというなら、努力しているのは決して自衛官だけではないということを分かってほしい。

 

公務や公務員への批判は自由であるべきだと思う。しかし、昨今の「ざまあ見ろ」と言わんばかりの公務員バッシングは、すり替えや誇張が多すぎる。政治家やマスコミにとっては有効な「人気取り」の手段なのだろうが、乱暴な議論を許容し、更に行政の第一線で増加している行政職員を対象とした暴力、暴言を誘発している面があると思う。

 

各府省、裁判所、国会等で働く国家公務員は、どのような人材であるべきなのか、そして、その給与はどのようなプロセスのもと、どのような指標に即して定めるのが公正なのか、こうした議論まったくを欠いたままの「給与削減」は納得できない。(A)

 

 

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