メッセージ フロム ザ フロント

脅かされる労働者の権利

 

何かと言えば、すぐに労働者の賃金、労働者の雇用に手をつける昨今の風潮はどうなんだろうか。

 例えば、東京電力で働く末端の労働者まで「賃金カット」だという。

重大な事故を起こし、多額の賠償責任を負った企業だから当然という見方かもしれないが、乱暴に過ぎる議論ではないか。

 

 「責任は、権限のあるところに生じる」

 

 問題が生じたとき、それが故意で引き起こされたか、過失で引き起こされたかに関わらず、それを回避する権限が与えられてなければ責任を果たしようがない。

 実際、原子力エネルギーを推進するのも、原子力発電所を建設するのも、東電(まして下請企業)の末端で働く労働者に何の決定権限もなかっただろう。彼らは否も応もなく業務命令に服するしかなかったのではないか。

 

 こうした立場の「労働者のあたり前の権利」について考えてほしい。この点では、労働契約法という法律がある。

 その第9条は、「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない」としており、例外的に「就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるとき」(第10条)に限って、当該変更が有効となるとを定めている。

 

 如何なる事情があろうと、まずは労働者が受ける不利益を回避するギリギリの努力が求められていると言えるだろう。

 

 逆に、責任があるとすれば、安全を軽視したまま原子力政策を推進してきた政治家、それを陰に陽に後押ししてきた経済界とマスメディア(特定の政策推進のTVコマーシャルを放映)だろう。

 

 いま、「働く者の権利」を社会全体が守らなければならないと思う。(N)

 

 

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