メッセージ フロム ザ フロント

国の定員削減
公務員は減らしたが、借金は増え続ける

 

「消費税増税の前にやることがある」「無駄を徹底して削る」等の掛け声のもと、国家公務員(自衛官を除く)の人件費削減を競い合う政治状況が生じている。

 しかも、一方が「2割削減」と言えば、もう一方が「10万人削減」だと、「バナナのたたき売り」状態である。

もとより、ヒマな公務員がいるなら、削減した方がいい。

 しかし、労働行政を見渡すと、ハローワークでは、訪れる多くの求職者に対して必要な相談時間の確保さえ難しく、過重労働、不払い残業が広がっている。また、労働基準監督官の配置は、ILOの基準(労働者1万人に1人配置)をはるかに下回っている。

 

一方、国の借金(国債及び借入金債務現在高)は8百兆円を超えており、私も危機感を持っている。しかし、その原因が国家公務員の人件費なのか、それとも別の原因があるのか、それぞれ寄与度はどれほどか、これらをはっきりさせなければ、真の問題解決には至らないだろう。

 

図は、国家公務員数の経年変化だが、わが国の国家公務員数は、昭和50年代から減り続けている。しかも、平成14年度(約80万人)から平成22年度(約30万人)にかけては、「官から民へ」の掛け声のもと、実に50万人(そのほとんどが国民生活に直結する行政分野)が削減されている(今や、国家公務員の約2人に1人が自衛官だが、自衛官は削減の母数には入っていないらしい)。

ところが、同時期の国の借金(国債及び借入金債務現在高)は、607兆円(平成14年3月末)から882兆円(平成21年3月末)と急増している。

つまり、国家公務員の人件費は、国の借金の「元凶」なのではなく、財政赤字の真の原因を覆い隠す「目くらまし」の材料として扱われているのではないか。

 

国民生活に直結する公務が縮小する一方、赤字を生み出す財政構造は温存という最悪のシナリオに向かっているようにしか思えないのだが・・・。(H)

国の定員削減

 

この記事のトップへ