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新規採用者の大幅抑制

 

新規採用者の大幅抑制

 

政府は5月21日、来年度の国家公務員の新規採用方針を決め、平成21年度の実績をもとに採用規模を約4割(約3000人)に削減するとした。

 具体的には、類型ごとに採用の上限を設け、

a)地方出先機関等において勤務することを目的とする採用者(cを除く)は、2割以内

b)本省において企画・立案に携わること等を目的とする採用者は、8割以内

c)専門職種でその専門的な知識をいかして行政サービスを提供すること等を目的とする採用者は、5割以内

としており、国民に身近な行政機関ほど削減率を高く設定したかたち。

 

 いったい、狙いはどこにあるのだろうか。

当初、早期勧奨退職を漸次解消していくことの「しわ寄せ」かと考えたが、早期勧奨退職の比率の高い本府省の削減が小さく、逆に、早期勧奨退職がほとんどなくなった出先機関での削減が大きいことから、出先機関の「リストラ」に主眼があるのだろう。

事実、総務大臣は、同日の記者会見で「出先機関をなくそうとしているのに同じ人数を採用することがおかしい」と述べている。

私は、労働基準監督署に勤務しているが、労働基準監督官採用試験は上記Bに該当し、採用数は5割以内となる。採用を減らした分はそのまま「欠員」となるのだろう。

 

景気の低迷を受けて、労働者の権利の侵害が広がっている。例えば、平成21年度に受理した賃金不払事案(労基法第24条又は第37条違反)を見ると、不払額は前年度比で3倍(一人あたり105万円、東京労働局)となっている。本来なら、労働基準監督官の増員を図るべきだろう。

また、今年度の大卒未就職者は約3万1千人(3月末現在)にのぼり、来年度に向けた企業の採用見込みも決して芳しくない中、約3000人分の「就職口」を奪うという感覚も信じがたい。

 

もう一つ見逃せないのは、本年度の労働基準監督官採用試験(受験案内の採用予定数は約120名)は、すでに4月14日で受付が締め切られ、志願者は6月13日の第1次試験、その後の第2次試験に向けて勉強に励んでいる真最中。この段階に至って、受験案内の記載を違えて、採用予定数を半分以下の53名(21年度実績の5割)に減らしてしまうというのは、あまりに乱暴じゃないだろうか。

私もそうだったが、労働基準監督官採用試験の志願者は、いわゆる「単願」の者が多く、何年も前から準備を続けてきた者が少なくない。

労働行政に従事することを希望し、努力を続けてきた若者の夢を打ち砕く・・・厚生労働省がすることとはとても思えないのだが。(Y)

 

 

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