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求職中の自殺

「未支給失業等給付請求書」という様式がある。

雇用保険法第31条に基づき、雇用保険の失業給付の受給期間中に亡くなられた方の遺族から提出される。入院加療中だった方の場合は未支給の傷病手当が、また、求職活動中に急死した方の場合は基本手当が、それぞれ遺族に支払われる。

 

公共職業安定所(ハローワーク)では、請求書の受付にあたって、「死亡の事実及び死亡年月日を証明する書類」を確認させていただく。死亡時刻によっても、支給額が変動するため、やや立ち入った話しもしなければならない。

近時、後者の請求が目立ち、しかも、死亡原因が自殺であることが判明するケースによく遭う。

求職中の自殺・・・実に痛ましく、何と声をかけたらいいのかと言葉を失う。

失業のショック、仕事が見つからない不安

受給期間終了が迫っていることへの焦り、そして、自信喪失・・・

しかし、この経済情勢の中、受給期間中に適職を見つけることができないことの方が多いし、それは決して「自己責任」ではない。何しろ、有効求人倍率は1倍どころか、0.5倍を切っているのだから。

 

ハローワークでも、自治体と連携した「心の健康相談」等のとりくみを始めているが、根本的には、現行の雇用保険制度の脆弱さ(短い受給期間、少ない受給額等)を克服しなければならない。

 

 同時に、受給期間終了の2か月程前に数時間の相談時間を確保できないか。仮に就職が決まらないまま受給期間が終了しても、様々な支援制度があることを一人ひとりの事情に即してアドバイスし、必要なら手続きに入るのである。具体的には、基金訓練制度等のいわゆる第2のセーフティネット、生活保護制度、多重債務の解決制度等。

 

確かに、通常の職業相談(15分程度)でさえ、2時間待ち、3時間待ちの現状ではとても無理かもしれない。ハローワークの職員も疲弊しきっている。そこへ追い打ちをかけるように、政府の公務員削減方針のもと、4月から186人もの人員(ハローワーク常勤職員)を削減すると言う(地方労働行政全体では226人の削減)。

 

私は、「生きる支援」の最前線にいることを自覚し、求職者の一人ひとりと向き合っていきたい。それを可能にする体制づくりを望みたい。(H)

 

 

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