メッセージ フロム ザ フロント

労働行政で働く非常勤職員(その1)

労働局の総合労働条件相談員として、面談や電話で行う労働相談を担っている。  
私もそうだが、多くの同僚相談員も長く民間企業で勤務したことがあり、その中で人事・労務・社会保険等の実務経験を持つ。こうした経験を持つ私たちが、労働法令等のプロである「労働基準監督官」等と緊密に連携した対応を図ることで、労使に信頼される「労働相談」ができると思い、日々研鑽を積んでいる。
ただ、日々の労働相談は決して楽なものではない。  
突然の解雇、生活を脅かす賃金不払い、陰湿なパワーハラスメントなど、一つひとつの相談が重たく、また複雑である。
しかも、多くの相談者にとって日々の生活、ひいてはその人の人生に直結する課題であることから、あらゆる法令・制度等の運用を視野に入れ、相談者の立場に立って「解決策」を探していく。  
しかし、行政の権限行使の範囲や方法には法令上の限界があり、納得のいく「解決策」が見い出せないことも少なくない。そんなときは、昨今の公務員バッシングの激しさも手伝ってか、「税金の無駄遣い」などと罵倒されることもある。
もとより、一人ひとりの相談者にとって、私たちの労働条件や雇用形態などどうでもいいことで関心も薄いだろう。  
実は、私たちは日給制の非常勤職員(月15日勤務、昇給なし)。月収13万円程度で、賞与もなければ、退職金もない。世間では、官製ワーキング・プアという言葉があるらしいが、私もその1人かもしれない。  
通勤手当もごく最近、支給されるようになったが、一出勤日当たり350円が上限である(同僚の中には毎月2万円もの持ち出しになっている者もいる)。労働相談が長引けば時間外労働に及ぶが、時間外労働手当はない。サービス残業の相談をサービス残業をしながら受けるのは、あまりに虚しい。
困難に向き合わざるを得ない相談者一人ひとりの力になりたいと思うと同時に、私たち非常勤職員が抱える多くの矛盾の解決を求めたい。(T)

 

 

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