メッセージ フロム ザ フロント

2009年 8月
高校生の就職が危ない

 高卒求人(新規学卒者を対象とした求人)が、激減している。

 実際、求人企業数は昨年の半分程度に止まっており、一社当たりの求人数も減少している。内定取り消しの懸念から、求人を出し控えている面があるかもしれないが、かつての就職氷河期を大きく上回る厳しい事態であることは間違いない。

 一方、高校生の実情にも変化が見える。

 過日、地元の高校の先生がハローワークに来られたのだが、その高校は県内有数の進学校であり、従来、卒業生はほぼ100%進学。だから、進路担当の先生も今まで就職相談・支援等に従事した経験がないという。ところが、卒業予定の生徒の中に就職を希望する者がいるので、来所されたという。

 求職から採用までの手続きや労働市場の特徴等まで説明させていただいたが、経済的な事情で進学をあきらめざるを得ない生徒が増えていることに、経済危機の深刻さを痛感する。

 ハローワーク等も、昨年度の補正予算(1次、2次)や本年度の補正予算で措置された各種施策等を通じて、正規・非正規労働者の双方を視野に入れた雇用維持(失業防止)、再就職支援、そして雇用創出等を進めている。その規模は、過去最大である(中には実習型雇用支援援事業など新規学卒者に有効な施策もある)。しかし、これまで比較的有利と見られていた新規学卒者までもが、きわめて厳しい状況に立たされていることに認識をあらたにしなければならない。 

 大型の経済危機対策の効果に期待しつつ、新規学卒者を念頭に置いた求人開拓(求人勧奨)をねばり強く進め、また、企業と生徒のニーズをふまえた調整(マッチング)力を発揮していく必要がある。さらに個々の就職希望者(又は進学希望者)を直接支援する総合的な施策(奨学金制度の充実等を含む)を強化することも重要だろう。

 そして、社会全体がこの危機感を共有することが何より大事であり、労働局・ハローワークが「牽引役」となって、企業・業界団体、地方自治体等と連携しながら、解決していく必要である。

「適職に就きたい」「進学して勉強したい」といった卒業予定の若者に「当たり前」の希望を叶えてあげたい、そして期待に胸をふくらませる門出であってほしい、と切に思う。(M)

 

 

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