メッセージ フロム ザ フロント

2009年 1月
景気悪化の影響を真っ先に受けたのは日系人労働者だった

「派遣切り」という言葉まで生み出した昨今の雇用情勢。この荒波を真っ先にかぶることとなったのは、外国人、特に中南米出身の日系人労働者であった。

彼らが多く住む東海、信越、北陸地方などのハローワークには、11月初旬から急に多くの日系人労働者が来所するようになった。同月の外国人相談件数が前月比の2・5倍となったところもある。

特徴的なのは、数人から10人程度で訪れることが多く、日本語を話せない方が多いこと。通訳役と仲間全員で来所するのだが、中には、仲間の中に日本語を話せる者がおらず、日本の小学校に通学している子供を通訳役として数名で来所されたケースもあった。

こうした人たちは、これまではブローカーや派遣会社のあっせんで集団で就職・転職し、自分たちのコミュニティーを中心に生活してきたが、景気悪化によりブローカーや派遣会社から見捨てられ、ぽつねんと日本社会に取り残されてしまった。

彼らの働く意欲は旺盛であり、何とか就職をと思い、職業相談・職業紹介に応じるのだが、現状は厳しい。その要因としては「集団での就職を希望するケースが多いが、多人数を募集する求人がほとんどない」「経験のある製造業を希望するが、景気悪化の直撃を受けた製造業の求人が激減している」「求人が多い小売・サービス業への転職は、日本語会話の問題から難しい」などがある。

彼らは、国内の労働力不足を補うため、受け入れを希望する企業が増え、その求めに応じて来日したものである。とすれば、景気が悪化したからといって安易に見捨てることは許されない。職業相談・職業紹介を基軸にしながら、職業訓練、日本語教育などの行政分野とも連携したとりくみも必要となろう。

そういえば、窓口を訪れる日系人労働者から、「中南米行き航空便の座席は数カ月先まで満席で、帰りたくても帰れない人もいる」との話を聞くことが多い。もし本当であれば、チャーター便を出すなどの対策も必要だろう。(Y)

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