全労働の活動・とりくみ

監督官「緊急アンケート」の結果について

全労働は、2013年10月から11月にかけて、全国の労働基準監督官に対し、現政権が掲げる「成長戦略」の中で議論されている「国家戦略特区」に関わって「緊急アンケート」を実施しました。

当該アンケートは、2013年秋の臨時国会への法案提出にあたり、産業競争力会議国家戦略特区ワーキンググループ(以下、WG)内で議論されていた内容に基づき、アンケートを実施しました。

しかし、その後、日本経済再生本部で決定した特区関連法案の内容は、(1)「雇用労働相談センター(仮称)」を「特区ごとに設置する統合推進本部の下に」設置する、(2)「高度な専門的知識を有し」「比較的高収入を得ている者」の有期雇用契約などを対象に、無期転換申込権発生までの期間を延長するものなどとなっています。

また、2014年3月には特区に設置される「雇用労働相談センター」において、企業等からの相談に対応するための「雇用指針」が定められ、通常国会において「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」案が提出されています。

当初、WG内で議論されていた内容とは違いますが、政府は「国家戦略特区」における解雇規制、労働時間規制等の労働法制緩和をあきらめたわけではなく、今後も議論を継続していくことと思われます。

このアンケート結果は、実際に第一線で労働者、使用者と日頃から接している労働基準監督官が、政府が目指す「国家戦略特区」をどのように考えているかを明らかとしたものと言えます。

 

1 アンケート設問内容と結果(図参照)

下記【Q1】〜【Q5】について、(a)「賛成」、(b)「反対」、(c)「どちらとも言えない」の3つの回答を選択する形で1,410名の方から答えていただきました。

【Q1】「国家戦略特区」を設けて、特区内の一定の企業(外国人比率30%以上や開業後5年以内)について、労働基準を緩和・廃止する構想をどう思いますか。

結果:賛成115名、反対1020名、どちらとも言えない270名、未記入5名

賛成8.2%、反対72.6%、どちらとも言えない19.2%

 

【Q2】有期雇用:契約締結時に、労働者側から、5年を超えた際の無期転換の権利を放棄することを認める。これにより、使用者側が、無期転換の可能性を気にせず、有期雇用を行えるようにする。→「労働契約法第18条にかかわらず無 期転換放棄条項を有効とする」旨を規定する。

結果:賛成192名、反対809名、どちらとも言えない409名、未記入0名

賛成13.6%、反対57.4%、どちらとも言えない29.0%

 

【Q3】解雇ルール:契約締結時に、解雇の要件・手続きを契約条項で明確化できるようにする。仮に裁判になった際に契約条項が裁判規範となることを法定する。→労働契約法第16条を明確化する特例規定として「特区内で定めるガイドラインに適合する契約条項に基づく解雇は有効となる」ことを規定する。

結果:賛成210名、反対847名、どちらとも言えない352名、未記入1名

賛成14.9%、反対60.1%、どちらとも言えない25.0%

 

【Q4】労働時間:一定の要件(年収など)を満たす労働者が希望する場合、労働時間・休日・深夜労働の規制を外して、労働条件を定めることを認める。→労働基準法第41条による適用除外を追加する。

結果:賛成273名、反対811名、どちらとも言えない295名、未記入31名

賛成19.8%、反対58.8%、どちらとも言えない21.4%

 

【Q5】(2)〜(4)に反対の方にお尋ねします。対象労働者の範囲を「弁護士、公認会計士、修士号、博士号といった資格を持った人」に限定するならば、(2)〜(4)をどう思いますか。

結果:賛成171名、反対537名、どちらとも言えない446名、未記入256名

賛成14.8%、反対46.5%、どちらとも言えない38.6%

 

【図参照】

 

 

 


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