全労働の活動・とりくみ

2005年 7月
シンポジウム
〔フロア発言〕

一橋出版=マイスタッフ争議をたたかって −出版労連・出版情報関連ユニオン−

私は現在、一橋出版=マイスタッフ争議をたたかっています。私は、一橋出版という教科書会社で教科書の編集担当者として働いていました。ところが、新課程の教科書を検定合格させて、副教材のすべてを作り上げたとたんに、「雇止め」という名目で解雇になりました。それまでの仕事のさせられ方や辞めさせられた経緯がおかしいのではないかと思って出版労連に入り、裁判闘争をしています。
一橋出版という会社は実は親会社で、私が働いていたのはマイスタッフという派遣の子会社です。このマイスタッフは、他の出版社にも派遣社員をたくさん送り込んでいまして、それに関しては正しい派遣をやっているのです。しかし、親会社である一橋出版に関しては無償の派遣、カッコ付きの「派遣」をやっていました。証人尋問など裁判の中で明らかになったのは、一橋出版が使用者責任を回避するために、マイスタッフという派遣の隠れ蓑を使って、安上がりでいつでも切れる労働者を安定的に提供するというしくみを作り上げていたということです。
先日、最終弁論が終わって結審になり、7月25日に判決ということになっています。この間、支援共闘会議ができておりまして、全労働にも共闘会議の一員として力をいただいているところです。こちらの方には証拠がいろいろ揃っておりまして、ぜひとも勝利判決を取りたい。そうなれば、派遣の裁判では初めての勝利判決となります。引き続き、ご理解、ご支援をお願いします。

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派遣スタッフも派遣会社の社員も深刻な状態に −首都圏青年ユニオン−

私は去年まで、社長が「ハローワーク民間開放」を主張している規制改革・民間開放推進会議の委員にもなっている矢崎総業で派遣社員として、正社員の2割ぐらいの給料でずっと働いていました。
いま、首都圏青年ユニオンでは2人のオルグ(私はその1人です)で30件の団体交渉を進めていますが、そのうち大体7割が派遣と請負の問題です。中でも、R社1社だけで5件ぐらい、労働相談や団体交渉が同時進行しています。うち1人は、1年間のプロジェクトで「来年1月まで働ける方」という求人票があったので募集したら、初回は2ヵ月の契約で、2回目の更新は3ヵ月間。契約業務は、事務用機器操作(労働者派遣法施行令第4条の5号)とファイリング(同8号)ということだったのですが、求人票には6号の翻訳の業務と書いてあったのです。働き始めて2週間後に、上司の英語がおかしいので、それを直したら「クビだ」という話になった。それに対して派遣元と団交をやったら、「これは派遣先の指揮命令違反だ」ということで、組合員は派遣社員という立場を理解せず、派遣先の上司とうまくできないから、今後派遣登録を取り消す方向で考えるという話です。こういうふうになってくると、英語の能力がすごく高い人でも、要するに派遣先の言うことを「はい、はい」と聞く人でないと契約を更新してもらえない。
もう1人、過労死寸前までいったR社の営業の正社員が組合員になり、団体交渉をやっています。競合他社のS社では、30億円の未払い残業代を支払わざるを得なくなるということがありました。その組合員に、なぜ最初2ヵ月の契約をしているのかと聞いたところ、社会保険に入れさせないためだ、ということです。社内通達があって、団交を要求してきた派遣社員は個人データ上に「紹介不可」と記載されて更新はしない。これは団結権否定だと思うのです。また、派遣社員は最初の契約時に、派遣先と派遣元の間で契約が中途解除になった場合、「6割しか休業補償をしません」という紙にサインをさせられています。会社としては、法的根拠はないとわかっているんだけれども、派遣社員に精神的圧力を与えるためにやるという通達が下りているという。こういう裏情報がいっぱい入ってくる滅茶苦茶な状態なんです。ちなみに、この営業社員も派遣スタッフを140人も同時進行で抱えている。携帯電話を2台持っていて、毎日夜中まで、土日も派遣スタッフから次々と電話がかかってくるという状態です。それで、給料はいくらかというと、こんなにまで仕事をさせられて月収30万円ぐらい。ひどいです。
脇田先生からご指摘がありましたが、事前面接の問題があります。私たちはこの問題で交渉して、神戸から東京まで事前面接に来させられた分の交通費や日当を全部払わせたのですが、「次、紹介して下さい」という話をすると、業界には「競合」というシステムがあって、協定書に「事前面接をやりました」ということを書いたので次の仕事を紹介することができない、というのです。これは、いまだに解決できていません。労働局の需給調整課に相談に行って、「何か言ってよ」と一生懸命に言っても、「司法警察権がないから何もできない」と言うのです。これは、一人ひとりの担当職員の問題ということではなくて、司法警察権がないことがすごくネックになっている。労基署とは違うということを感じています。
ただ、私たちの活動に非常にいい影響を及ぼしているのは、労基署が頑張って不払い残業の取締りをしてくれていることです。そのため、私たちは不払い残業代をかなり支払わせることができるし、そうしても辞めさせられないのです。最近では、ある旅行会社で6人で1500万円の未払い残業代を支払わせたり、老舗の和菓子会社で4人で300万取ったりということがありました。これが自主団交で勝ちとれたのも、未払い残業に対する労基署のきびしい取り締まりが大きく影響していると思います。

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民間委託の強行と雇用確保のたたかい −東京公務公共一般労働組合−

東京公務公共一般労働組合(公共一般)は、東京都の区や市で働く正規職員以外の、学童保育や保育園などの、いわゆる「パートさん」などを組織している組合で、組合員は約3千人です。
いま、多摩都税事務所に関する民間委託問題が起きています。ここでは、2003年度まで非常勤職員が従事してきた窓口収納業務を、2004年度に民間委託するという動きが起きました。職員が首切りになるということが契機となって、公共一般の多摩都税分会が結成されました。まず、民間委託を阻止するということを要求として掲げましたが、民間委託が強行されるという段階に至って、公共一般としては組合員の雇用確保を第一にするということで、民間の委託先に全員の雇用を確保せよという運動をしました。その結果、業務は「日本医療事務センター」(NIC)が受託しましたが、組合員については全員の雇用を確保しました。しかし、NICにはゼンセン同盟加盟の組合がありまして、使用者側が私たち公共一般を非常に嫌悪して組合つぶしにかかり、団交拒否を繰り返してきました。公共一般は労働委員会に救済申し立てをしましたが、NICはたたかう組合である公共一般は邪魔だということで、2004年度分は6千万円で入札したのですが、2005年度分はわざわざ1億2千万円という高い金額で入札して、結局自ら落札しないようにしました。今年度は、銀行系の「みどり会」という会社が受託しました。そうすると、形式的には会社が変わるということで、公共一般としてはNICからみどり会に委託先が移っても雇用責任を果たさせるために奔走しました。
結論として、14人の組合員のうち6人がみどり会に移ることができず、首切りとなってしまいました。その中には分会長が含まれており、私たちはいま、不当労働行為にあたるということで争っています。都税の窓口収納業務という、非常に公益性が高く、権力性も高い業務が1年ごとにコロコロと委託先が変わっていく。そうすると、継続的、安定的な公務を果たすことができなくなるのではないか、と考えています。こういうことが国のいろいろな公務でもやられると、国民の生活や権利という問題にも大きく関わってくると思います。今後も公務を守り、そこで働く職員の雇用を守るために、公共一般は全力を尽くしますので、皆さんのご協力、ご支援をよろしくお願いします。

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指定管理者制度導入が大きな焦点に −自治労連−

地方自治体は、住民のくらしを支えるために、公民館や図書館、保育所、病院、公園など、さまざまな施設を整備してきました。その数は全国で40万ヵ所と言われ、正規職員や非正規職員、外郭団体職員など、およそ60〜70万人の労働者が働いています。これら公の施設の管理運営方法が、2003年6月の法改正によって大きく変わりました。「民間企業に任せたらコストを削減し、サービスも良くなる」という理由で指定管理者制度を設けたのです。その結果、公の施設を使って民間企業が利潤を追求し、施設職員の雇用は不安定になりました。
例えば、民間企業が運営を引き継いだ東京・大田区の公立保育所では、園長や担任を含めて全員が契約社員かパートタイム労働者に置き換わり、責任の重さに比べて労働条件がきびしいために、引き継ぎ後1ヵ月で園長が辞め、1年間に24人の保育士が入れ替わり、子どもの保育に責任をもてない状況が起きていることが、マスコミでも取り上げられています。このような事例は、他の施設でも数多く報告されています。
指定管理者制度は、コスト削減が目的であり、しかも3〜5年などの期限を限った管理代行のため、これまでの終身雇用を基本とする雇用関係から、有期雇用に変わらざるを得ない問題をはらんでいます。もう一つは、現在管理委託されている施設は来年3月までに直営に戻さない限り、指定管理者制度への移行が義務づけられており、現在外郭団体で働いている労働者は、その外郭団体が指定管理者にならなければ解雇されるという問題です。
しかも「市場化テスト」が法制化され、自治体にも適用されるならば、これまでのように一本釣りで民営化、民間委託化されるのではなく、すべての施設が底引き網ですくわれるように民営化されます。
私たちは、公の施設が民間企業の営利活動に委ねられることによって、住民の権利やサービスが守られなくなる問題を明らかにし、住民、利用者の皆さんと一緒になって、こうした攻撃をはね返していくとりくみを進めています。そして、直営を基本にしながらも、仮に指定管理者制度によって民営化されようとも、その施設の役割と機能を守ることと、施設で働く労働者の雇用、労働条件を確保することについて自治体に責任があることを明確にさせるとりくみをしているところです。公共性を確保し、住民の権利を守る公務の解体を許さないたたかいを、皆さんと一緒に進めていきたいと思います。

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もっと安定所の相談窓口を活用してほしい −全労働北海道支部−

私は現在、公共職業安定所の職業紹介窓口を担当しています。日々、求職者と接する中で職業安定所、職業紹介、職業相談がどうあるべきかについて、自分自身への自戒も含めて発言したいと思います。
窓口には、非常に多くの求職者の方が詰めかけています。経済状況が非常にきびしい中で、必死に仕事探しをしています。そうした状況の中で、多くの求職者は自らの希望にまったくマッチしない労働条件の求人に応募せざるをえない、という現実を突きつけられていることも実感するところです。賃金が低い、パートや派遣、請負、期間雇用などといった求人票を手にせざるを得ないという実態が、窓口にいてひしひしと感じられます。
多くの求職者は、不十分な雇用保障、さらには急速な雇用・労働の構造変化に直面しています。本来であれば、労働条件、求人条件が改善、明示、履行されるべきであるのに、そういうことが不十分なまま、低水準の求人に応募して就職先を選択せざるをえない、という実態が広がっています。そういう中にあって、安定所が求職者の納得いく労働の機会を確保する、このことが労働する権利を担保する重要な内容であり、そのことに安定所が責任をもつことが必要だということを、私たちはあらためて認識しているところです。そのためには、とりわけていねいな職業相談の実践が求められます。求職者が仕事を選ぶ際の3つの要素(労働条件、賃金、仕事の内容)がどれも大きく変化している中では、安定所にじっくりと悩みを聞いてもらいたい、そして仕事を紹介して欲しいということが数多くの求職者から聞かれます。
一方で、コンピュータ化の進展もあって、ハローワークインターネットサービスあるいは求人自己検索装置が整備されて、それらから情報を得たり求人票を入手して直接応募するということが、現実としてあるわけです。安定所の職員からすると、求職者が自らの適性も十分認識できないままに面接に行ってしまうことについては忸怩(じくじ)たる思いがあるわけでして、ぜひ安定所の窓口に立ち寄っていただきたいし、そこで求人票以上の情報提供を受けた上で職業を選択していただきたい、ということをあらためて訴えたいと思っています。
安定所をめぐっては、「民間開放」が声高に叫ばれています。しかし、職業紹介事業の民営化は、仕事に就くためにカネがかかる、仕事が低賃金や低い労働条件である、などといった構図を多くの求職者に強いることとなりかねません。私たちは、こうした動きへの対抗軸として、正確な求人受理や求人条件の改善指導、職業相談の充実ということをしっかりと心がけて、公的な窓口をしっかりと守っていきたいと思っています。

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労働相談を通じ、未組織労働者とのつながりを重視 −東京地評−

東京地評は、専任体制をしいて労働相談活動にとりくんでいますが、このところ相談が大変増えており、毎日20件を超える状況になっています。相談内容の特徴は、雇用破壊からくるものが大変多いこと。加えて、メンタル疾患を病んでいる方が大変多いのも特徴です。東京地評は、多くが職場で組織された正規雇用労働者の労働組合からなる連合体ですが、ローカルセンターとして、組織化されていない人たちとの結びつきを、労働相談を通じながらいろいろやっています。首都圏青年ユニオンを含め、労働相談を入口とした個人加入の組織作りが地域や産別で徐々に広がってきています。
私たちにとってもう1つ大きな課題・テーマになっているのが、失業の問題や非正規雇用で働く様々な労働者の問題にどう接近していくのか、ということです。労働相談の件数が非常に増えていると申しましたが、労働諸法制が改悪される中で、労働者派遣法すら守らない企業が増えています。あるいは、請負労働をめぐる問題も目立っています。つい先日あった労働者の相談は、「私は出向労働者として正規に雇用されました」というものでした。ところがよく聞いたら、そこの会社は正規雇用をしながら、すべての労働者を関連会社に出向させているということです。出向先に行っている間は有期雇用で、半年経って再契約して正規雇用になる、という話でした。労働時間を守らない、サービス残業も当たり前、という状況も広がっていますが、これも基本的な労働時間法制の原則が崩され、法の規制が曖昧となったことの反映だと思います。基本的には、原則的な労働諸法制を確立するたたかいが強く求められていると思っています。
ハローワークの民営化に反対するたたかいでは先日、全労働や東京職安の仲間と一緒にハローワーク前での民間開放反対の宣伝を繰り広げてきました。この点では労働行政に携わっている皆さん方がこの問題で国民の前に出て、大きくその問題を指摘しながら宣伝活動を行うことが、いま労働運動の中で求められているのではないかと思います。
先ほど、北海道の方が「窓口に来てください」と言いました。私たちは、東京の労働行政の職場で働く皆さん方が、ぜひ私たち東京地評やその傘下の民間職場などさまざまなところに来ていただいて、こうした労働諸法制の大きな改悪が進むといった問題を語り合いながら、大きな運動が展開できればと思っております。
日本では、かつて失業者を組織し、そして大闘争をやった運動がありました。大量の失業者をテコに進む雇用破壊とたたかう上で、失業問題は避けて通れないと思います。いま、日本の労働組合運動が、その当時の、全日自労が果たした役割の大きさをあらためて見直して、失業者闘争をどうとりくむかということを考えることも大きな課題の一つだと思っています。

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